MENU

なぜ看護師をやめずに続けてこれたのか?

要領がいいほうだと言う看護部長のSさんですがそれでも苦労は色々とあったそうです。
それでもSさんが長い間看護師を続けていられたのはある患者さんから「ずっと看護師を続けて欲しい」と言われた言葉があったからだそうです。

 

Sさんが結婚した男性は転勤族でした。
看護師の仕事は全国どこでもできるものですが、見ず知らずの土地で、周囲に頼れる人もいなかったため、Sさんは出産を機に一度仕事を離れたそうです。

 

しばらくして仕事に復帰したのは、やはり患者さんからの言葉を思いだしてのことです。
この患者さんは血液内科に入院中の若い男性でした。
まだ遊びたいさかりの10代の男の子で病気に大きな不安を抱えていたのです。

 

ある夜、この患者さんが病室からいなくなってしまったため、探し回っていたSさんは、廊下の隅で1人うずくまる彼を見つけたそうです。
そして「家に帰りたい」と言ったのだそうです。

 

しかし、その場で家に帰すわけにもいきませんから翌日に担当医と相談することにしたのですが、その患者さんはその日のうちに亡くなってしまったのです。
この時、患者さんとの関わり合いは1秒1秒がとても大事な意味を持っていることに気付いたそうです。

 

自分がこなさなければいけない仕事や、目先の仕事でいっぱいいっぱいになってしまう…
そんな看護師さんも多いでしょう。
忙しい時に一人一人に寄り添うというのは難しいことも多いです。

 

しかしそれは業務をこなしていくうちに効率的にできるようになり、徐々にゆとりが持てるようになっていきます。
患者さんから声をかけられたということは、あなたが必要とされたということですからできるだけゆとりを持って対応したいものですね。


どんなベテランの看護師でも新人看護師から学ぶことはある

患者さんにとって1秒1秒が大事だということは同時にスタッフに対しても同じだとSさんはいいます。
Sさんは看護師として業務にあたっているときにはあまり大きな悩みを抱えなかったそうです。
しかし自分が新人看護師たちに指導をする立場、マネジメントする立場になって、改めて看護について考える機会が増えたそうです。

 

イキイキと働けているか、重たい悩みを抱えていないか、安全性の高い看護が行えているかなどを考えるようになったのです。
特に新人ナースの育成については頭を悩ませたそうです。
二人の新人がいれば、半年も経つとどうしても差が生まれてしまうのだそうです。

 

すると本人だけではなく、遅れている新人の指導をしているプリセプターにも焦りが出てしまいます。
落ち着いて指導ができなくなれば、悪循環へ突入してしまいます。
焦りが出るから過剰に支持をしてしまって本人が学べない。
焦ってキツク叱責してしまい新人が委縮してしまう。
こうしたことが起こらないようにどう指導すればいいのかなどを悩んだそうです。

 

こうした悩みには積極的に新人ナースと接することで解決方法が分かったそうです。
実は新人ナースの多くはベテランになれば悩みもしないような「個々のケース」で悩んでいることが分かったそうです。

 

例えば「患者さんによって血小板数が違うからどう対応すればいいのか分からない」、「赤ちゃんの大きさがそれぞれ違うから、同じように吸引していいか分からない」などです。
新人なりにあれこれ考えてしまうから、器用にできないのです。
しかし理由が分かれば、指導もしやすくなるのです。

 

何に悩んでいるのか?
これはスタッフも患者さんも同じで一人一人向き合ってみなければ分からないことなのです。

看護師として成長するタイミングは人それぞれ

長年新人の育成に携わってきたSさんからすると、成長のタイミングは人それぞれなのだそうです。

 

本人にとっては精一杯やっているのに、大切な一瞬を見逃してしまうこと。
判断を迷ってしまい、後から何度も「あれで正解だったのか」と思い悩んでしまうこと。
そういうことは誰にでも起こることなのです。

 

中にはなんでも要領よくササッとこなせる人もいるでしょう。
しかしササッとこなせてしまえば、人は深く考えたり行動を振り返ることはありません。
振り返ることが多く、悩む人ほど、納得するまでは時間がかかりますが成長の度合いも大きくなるのです。

 

今、自分に実力がなくて悩んでいるという人がいれば、まず必死で自分の業務とむきあってみましょう。
勿論至らないところは沢山あるでしょう。
それをフォローするのは先輩方の役目でもあります。

 

看護とは一人で行うものではなく、チームプレイなのです。
一人の力に頼るのではなく、チームで行わなければいけません。
先輩たちも皆そうやって育ってきたのです。

 

もしも今悩んでいるのであれば、甘えて楽なほうへ逃げるのではなく立ち向かってください。
力を入れて、しかし力を入れ過ぎずに、周囲の人の助けを借りながらゆっくり一歩ずつ成長していきましょう。
どんな人であれ、必ず成長するものです。
掛かる時間は人それぞれですから、人と比較しても仕方ないのです。