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患者さんは亡くなる前に当時、新人看護師だった私に頼みたいと言った

現在、看護部長として働くNさんも、若いころには
何度も病院を辞めようとおもったことがあるそうです。

 

Nさんが新人ナースだったころ、ある患者さんが亡くなったそうです。
その患者さんはNさんが学習実習のときに受け持った思い入れのある患者さんだったそうです。
その患者さんは亡くなる前に「あなたに頼みたい」と言ったそう。
その時は意味が分からなったNさんですが患者さんをみとったあと
ご遺族の方から「あなたを待っていたようです」と言われて気付いたそうです。
Nさんに看取ってもらいたいという気持ちで、Nさんが夜勤の時まで頑張っていたのです。

 

辛いことがあるとき、仕事を辞めることを考えることも多かったNさんですが
このときから、死を迎えるということについて考え直し
同時にご家族やご本人に対して悲しみだけではなく、苦しまずに
納得して旅立てるように、何か手伝えることがあるのではないか?と考えるようになったそうです。

 

誰でも新人の頃は勉強することが沢山あります。
右も左も分からない状況で、仕事の責任は重く失敗は許されない中
慣れない夜勤などに精神的・肉体的にも緊張の連続で不安になることも多いでしょう。

 

看護の甲斐なく患者さんが亡くなってしまったときには悲しくて
人が死ぬことの少ない病棟に移りたいと思う人も多いと思います。

 

しかし死を悲しいこととだけと考えるのではなく
Nさんのように旅立ちのお手伝いをすると捉えれば認識は大きく変わるのではないでしょうか?
そうすれば「辛い」「悲しい」「大変」という感情よりも
仕事に対す誇り、自信がわいてくるかもしれませんね。

新人看護師の頃は誰にでも戸惑いはある

Nさんは2年目に転職をして、透析患者さんを受け持ち
慢性期の患者さんを担当するようになりました。

 

最初はとても戸惑いが大きかったそうです。
外科では、ほとんどの病気は治療をすれば回復していきます。
辛い症状に耐えて治療を行えば病状が回復して元気になっていくのです。

 

ところが透析患者さんというのは治癒する病気ではありません。
一生、病と付き合っていかなくてはいけないのです。
治る病気であれば「頑張って手術を受けましょう!」
「あとちょっとで治りますよ!」と励ますことができます。

 

しかしこれから何十年も治療を続けて、病気と共存しなくてはいけないのです。
落ち込む患者さんに、どんな励ましの言葉をかければいいか悩んだそうです。

 

そんな時、透析治療に否定的で、激しく落胆していた患者さんを担当したときに
自分に出来ることはなんだろうか?と考えたことがきっかけで
Nさんは自分にできることを見つけたそうです。

 

最初は暗く、絶望しかないかもしれない透析患者さんでも
透析を行うことで体調が次第に安定し、元通りとはいかないまでも
今までの生活に近づけるようになり、腹膜透析で仕事を続けることができたりと
患者さんの状態の変化に合わせて一緒に考え、アドバイスすることの重要性に気付いたそうです。

 

仕事にやりがいを感じられないということも多いと思います。
特に治療のできない病気の患者さんに接した時の無力感というのは計り知れないものがあります。
いちいちそんなこと考えていられないしと心を麻痺させてしまうのも限界があります。
自分にできることを見つけて、そこにやりがいを感じられるようになりたいですね。

クリニックで働くという選択肢もある

現在Nさんは大きな病院ではなく、小さな腎疾患専門クリニックで働いています。
地域に根差したアットホームなクリニックだそうです。
入院して最初は意気消沈していた患者さんも透析で症状が安定し
日常生活に戻れるようになる姿を見ると、勇気が湧いてくるそうです。

 

クリニックは病院としては規模が大きくないという面はあるものの
専門性の高い看護を行えるというメリットもあります。
一度専門性の高いクリニックで看護を経験してみると得られるものも多いでしょう。

 

またクリニックの場合は、ライフワークバランスを取りやすいというメリットもあります。
Nさんは看護部長として働く傍ら、出産と育児、家庭との両立を行っています。
義母の全面協力があったということも大きいそうですが
病院が働きやすいようにと時間的に融通をつけてくれたことなどに強く感謝していると語ります。

 

中には結婚生活や育児との両立に悩んでいる看護師さんも多いでしょう。
仕事を辞めて家庭に入ったほうがいいのか?
仕事を辞めて子育てに専念したほうがいいのか?
そう葛藤する人もいるでしょう。

 

しかし病院の中には育児をしながら働く看護師を積極的に応援してくれるところもあります。
また今後はそういう次の世代を担う人たちを積極的に支援していく動きが加速していくでしょう。
悩んだ時に、看護師を辞めるという選択肢だけではなく
働きながらでもライフワークバランスを取れる職場を探すという選択肢があってもよいのではないでしょうか?